國立中山大學
国立中山大学は台湾南部の主要な研究大学で、高雄・屏東の地域開発を促す原動力となっています。現在、社会科学院、管理学院、文学院、理学院、工学院、海洋科学院、分野の枠を超えた西湾学院があり、人文、芸術から工業技術、社会的ケアから海洋環境など、多方面に精通する教師と研究者が在籍しています。国のためになるさまざまな専門分野に優れた学生を育成し、40年にわたり台湾南部の発展と共に成長しています。
高雄・屏東地域では現在まさに産業のモデルチェンジが行われています。中山大学は地域に寄り添って芸術、文化、テクノロジー、地域のアップグレードなどを実施し、生態系の発展に配慮したフレンドリーな環境を再構築するほか、農村や辺境をサポートし地方創生を推進しています。7大学の専門知識を結び付け、国連の持続可能な開発目標(SDGs)に合わせた「海洋教育研究、見守り」、「社会問題への配慮」、「南方文化の創造」、「産業経済の推進」、「地方ガバナンスへの協力」など、5つの軸に沿って大学の社会的責任を展開しています。また、社会実践、教育研究、事務の統合など、3つの側面のプロジェクトを実施し、中山大学の社会的責任を果たしています。
海洋の教育研究、見守り、社会問題への配慮、南方文化の創造、産業経済の推進、地方ガバナンスへの協力。
USR 国際連携萌芽型「教育知識在地化與実践場域全球化-由高雄旧港新湾出発(教育知識のローカル化と地域実践領域のグローバル化-高雄の旧港から新しい湾に出発)」
中山大学の西湾学院を主要チームとしたプロジェクトで、高雄の労動価値に基づいた新しい都市開拓の精神を開発しています。プロジェクトでは「地域の体現」と「グローバルな認識」の2つの側面から、書籍化、映像化(D. Image)、漫画家(Comic)、クラフト化(Craft)、ゲーム化(Play)、ドラマ化(Dramatize)の6つのツールにより、地域文化の実践と問題を結び付けています。
プロジェクトでは、はじめに労動と開拓の精神を備えた前鎮区の草衙エリアを地域実践領域とし、地域の学校と連携した地域の文化と歴史を主軸とした共学コースで、ドラマ、市場、音楽、映像、書籍、クラフトなどを組み合わせ、さまざまな形式で具体的かつ面白みのある開発を実施しています。また、前草エリアの成功経験を旗山エリアに拡大し、地域の学校や民間団体と連携し、文化の深耕を展開しています。
国際連携の部分では、日本の筑波大学、千葉大学などモデルチェンジ中の都市に位置し、都市や農村との連携に力を注いでいる大学と連携して「地域の問題解決人材育成教育カリキュラム、美学や文化リテラシーなどの関連コース」を導入し、分野の枠を超えた共学コースを計画しています。プロジェクトは生活分野の課題から、異文化コミュニケーション、分野の枠を超えた編成などで地域実践と国際問題を結び付け、文化の育成と認識の強化により、地域に配慮した大学の社会的責任を着実に果たしていきます。
産学連携・地域融合:大学のコーペラティブ・エンパワーメントとエクステンションサービスプロジェクトの構築
「コーペラティブ・エンパワーメントとエクステンションサービス(Cooperative Empowerment and Extension Service, CEES)」の精神を主軸とし、「地域ニーズへの対応」、「多元的な学習の刺激」、「地域アイデンティティの強化」、「産業の持続可能な経営」、「進行パブリックコミュニケーションの実施」の5大運営原則に基づき、「産学連携の推進、連携・協力メカニズムの構築」を計画し、人材の養成や専門的な指導による育成を実施し、リソースと媒介の役割を果たして公共事務への参加を促進することを目指しています。
大学のコーペラティブ・エンパワーメントの推進サービスをはじめ、校内の社会実践共学活動やコミュニティのサポートサービスにより、地域の役に立つ学校の専門能力と資源をコミュニティに導入するほか、地域の人材を育成しています。続いて、企業の社会的責任協力プロジェクトを推進し、USR及びCSRの推進モデルと組み合わせ、CSRコースを開発しています。また、社会的責任を果たす企業の診断とプロジェクトをサポートし、企業精神と社会的責任の目標、必要な地域の個別プロジェクトにおける資源を一致させ、より効果的で実のある学校と企業の社会的責任実践プロジェクトを開発しています。最後に実施経験と資源を結び付けて学校統合による社会実践コースを開発し、教師による経験の共有、教育方法論の確立、コースの計画と実践のほか、インセンティブ認証制度を確立し、引き続き教師と学生のコミュニティへの参加を奨励し、若い学生の地域に対する共感を高め、パートナーとの関係を促進しています。最終的に「人材育成の持続可能な発展」、「専門的な指導の統合による育成」、「リソースと媒介の役割」、「公共事務への参加の促進」という4つの大きな目標を達成していきます。
都市是一座共事館(都市は共同作業処)-社会の溝に埋め込まれたコミュニティの実践
高雄で最も早く発展した旗津、鼓山、塩埕を核心地域とし、「高雄学」を地域の文化と歴史の核としています。それぞれ、持続可能な風景、サウンドスケープの祭典、ブランドビジョンの3方向に展開し、生活社会、生態環境、生産経済の3つの課題に発展させています。実践の部分では、カリキュラムを基礎コース「博物館マーケティングの実践」、「校内の資料を用いた共学コースの実践」、「高雄改名100周年常設展」、ビジョンコース 「東アジアの海洋、港湾のブランド」、「国際連携、地域創生」、ランドスケープコース「湿地生態博物館」、「持続可能性の追求、都市とコミュニティのモデルチェンジと開発の推進」、サウンドスケープコース「地域の伝承と業界の枠を超えた革新」、「塩埕生活実験室と塩夏不夜埕祭典イベント」など、9つの実践プロジェクトに発展させています。
地域連携の部分では、さまざまな地域の特性に基づき、地域のチームが連携しています。旗津区は直接的なイノベーションにより、旗津社会開拓基地を中心に戦争與和平館、家扶基金会、陽明海運探索館を結び付け、関連コースとプロジェクトを推進しています。南鼓山は連携の形式をとり、桟庫群、鉄道故事館、打狗文史再興会社など地域の組織を結び付け、産学連携により地域創造を推進しています。塩埕区では高雄市歴史博物館と克朗徳美術館が共同で地域の文化と歴史のパフォーマンスイベントを計画しています。全体的には、教師と学生が地域を知ることから始め、コミュニティへの還元やエンパワーメントに展開し、大学とコミュニティが共に栄えるという社会的責任の価値を実践する計画となっています。
中山大学は「湾岸創生:高雄過渡社区的記憶再現與創新転型(過渡期における高雄の記憶の再現と革新的なモデルチェンジ)」をプロジェクトのテーマとし、高雄で最も早く発展した3大湾岸エリア(旧港区、左営区、前鎮草衙区)に科学研究者を駐在させています。この3つのエリアも都市開発により過渡期に差し掛かっており、人口流出、高齢化、インフラ整備や更新の鈍化、コミュニティの創生に関する意識の欠如などの問題に直面しています。将来的に中山大学は3大コミュニティと共同で創生運動を立ち上げ、地域に知覚と創造の活力を注入してソーシャル・イノベーションの動力を備えた規範へのモデルチェンジをサポートしていきます。
§ 左営区-人文、歴史、記憶の発掘と再現
左営チームは「人文、歴史、記憶の発掘と再現」を主軸に古い歴史の記憶を収集し、革新的な手法で再現しています。「渡・左営」を中心に過渡期の左営における時空、環境、人文、民族性が融合する性質を反映させ、地域住民と共同で芸術を通じて左営区の地域革新とモデルチェンジを促進しています。
§ 旧港区-世代を超えた市民の参加:コミュニティを通じて活動に参加し、市民的素養を促進しています。
高雄旧港区とは高雄第一港周辺の旗津、塩埕、南鼓山などのエリアを指しています。地域のチームが参加型の行動観察によりコミュニティを探り、資源の組み合わせと技術移転のエンパワーメントにより未来のビジョンを描き出し、行動プログラムを生み出しています。住民、コミュニティ組織、公共部門のつながりを確立してコミュニティの自主性とエネルギーを刺激し、地域の人材を育成し、コミュニティへの参加効果を拡大しています。
§ 前鎮草衙区-前鎮の産業の痕跡から台湾の労動価値を探ります。
前鎮はかつて台湾の経済を飛躍に導いた重要な工業都市で、台湾各地から多くの労働者が「生計を立てる」ために集まりました。しかし、世界的な産業変革、工場移転により、環境汚染、高齢化、アイデンティティークライシスなどの問題が残ることとなりました。チームは「労動価値」の再議論において、教育、記録、パフォーマンスなどを通じて、コミュニティにおける共同学習、革新、変化を実現しています。
国家発展委員会「地域創造推進政策」支援プロジェクト
都市部への人口集中、日に日に拡大する都市と農村の格差、少子化、高齢者人口の増加などの課題に対応するため、行政院は2019年を台湾地域創造元年とし、国家発展委員会により正式に「地域創造」政策が推進されました。創生に向けた各行政機関の資源とプロジェクトを統合し、地域の特徴に基づいた産業を開発して人口の回帰と成長を促しています。
中山大学は台湾南部の主要な研究大学で、長期にわたり高雄・屏東の各エリアに深く関わり、地域対策の展開を支援しています。今回の地域創造政策の推進で、中山大学は黄義佑副校長を召集者として社会学部、公共事務管理研究所、社会実践及び発展研究センターなど校内の専門チームを統合し、ワークショップやコンセンサスキャンプの開催により、地域のチームと深く対話するほか、計画書の統合と編集を行っています。2019年から高雄・屏東地域の多くの行政区における共同プロジェクトを支援し、地域創造の提案に力を注いでいます。2021年に国家発展委員会の「地域創造南区輔導センター」を引き継ぎ、嘉義県、嘉義市、台南市、高雄市、屏東県、澎湖県の青年チームを共同で指導しています。
王宏仁
国立中山大学社会学部教授 国立曁南国際大学東南アジア研究所教授 国立中興大学マーケティング学科准教授 国立中興大学マーケティング学科准教授 淡江大学未来学研究センター専任准教授 中央研究院東南アジア研究プロジェクト博士研究員 経済部輸出促進サービスチーム 行政院秘書長事務所 経済部国際貿易局(経済部在外公館ドイツ語ビジネススタッフ代表)